2011年 03月 13日
メールの即時性 |
東北で大きな地震があった。東京では交通インフラが打撃を受け「帰宅難民」を大量に出した。被災地の皆様は今も大変な思いをしている事だろう。お見舞い申し上げる。
災害時に家族や友人の安否を気遣って連絡を取りたいと思うのは誰しも同じだと思う。しかし、残念ながら通信インフラは平常時でもその全てに応えられるだけの容量はない。まして災害時にはインフラ自体もダメージを受けている。そんな時に皆が一斉に携帯を使えばパンクするのは当然だ。携帯の回線なんてクリスマスや年越しのタイミングでさえパンクするんだから。
こんな時には各自が「通信トラフィックの軽減」を意識して欲しい。例えば「通話」は回線を占有する時間が長くなるから通話を避ける。伝言ダイヤルを使うのもひとつの手だが、そこに自分の安否が記されている事を相手に伝える手段はない。予め示し合わせた間柄でないとあまり役には立たないし、これとて肉声通信だ。
今なら肉声に頼らずとも連絡手段は結構ある。
1995年の阪神淡路地震の時、僕は大阪にいた。あの時も電話はかなり不通になった。当時まだインターネットは普及してなくて「パソコン通信」だったが、これは役に立った。PC-VANのサーヴィスでメールを使ってFAXを送るサーヴィスがあった。元々メール自体、1通のメールを複数の宛先へ送ってくれるサーヴィスだったので、無事を知らせる短い文書を書いた。当時はダイヤルアップ回線だったが、なかなかつながらないので自動リダイヤルをセットして、最寄の公衆電話へ向かった。公衆電話は優先的に復旧していたからだ。
公衆電話にも何人か並んでいたと記憶している。自分の番になって、とりあえず実家に電話した。親にさえ無事を知らせておけば親戚筋の連絡は済んだも同然。親に限らず、非被災地の知人に自分の状況を広く知らしめて貰えるよう頼むだけで被災地からの通信はかなり削減できる。
あと主要な知人への連絡はPC-VANのメール1通で済む。帰宅するとそれも無事送信できていた。通話は1分以内、PC-VANのメール送信のための接続時間はものの数秒だ。
要所を押さえる事で連絡件数を削減するというのも「トラフィック軽減」の大きな鍵になる。「通話」しか手段がない人にもできるトラフィック軽減の基本中の基本だ。
今なら多くの人が携帯電話を使おうとするだろう。しかしご存知の通り、携帯電話はどのキャリアもパンクしていた。殆ど物理的損傷を受けていない筈の山梨県内で、近くにいる人にかけようとしてもつながらなかったのは東京がダメージを受けていたからだろうか。これは携帯電話の構造的弱点かも知れない。心配なのは解るが「折角繋がったんだから」と長話するのは禁物だ。今回もかなりの人がやっていたんだろうな。
メールなら接続時間は圧倒的に少ない。通話ができないからせめてメールでもと多くの人がメールを出した。が、つながらなくて送信できなかったり、送信はできたが相手に届く(読まれる)までに何時間もかかるという例が続出した。Eメールはインターネットメールそのものであり、インターネットメールはそも、メール到達の即時性を全く保証しない(それどころか、相手への到達自体を誰も保証してくれない)システムである事があまりにも理解されていない。インターネットが普及し始めた頃にはメール到達までに1日ぐらいかかるのは珍しくなかった。尤も、当時は常時接続なんて贅沢な事ができる人は少なくて「電子メール(当時はそう呼ぶのが普通だった)は切手を貼ってポストまで行かなくてもいい」程度ののどかな時代だったからそれでもあまり問題にはならなかったけど。
僕が使っているauにはEメールの他にCメールというau独自の機能がある。同様の機能が他のキャリアにもあるだろう。ドコモのは「ショートメール」という名だと聞いている。Cメールはau独自の機能だから当然au携帯同士でしか使えない(ドコモのショートメールと乗り入れするって話はもう実現したんだっけ?)。このCメールはau同士でしか使えないだけでなく使える文字数も少ないので「何のためにあるの?」とか思っている人が多いようだが、実はこんな時にちょっと頼りになるツールなのだ。
インターネットメールは「送信者がメールをサーヴァに預ける」「受信者がサーヴァから受け取る」という手順を踏んで初めて相手に届くが、Cメールは相手の端末(携帯電話機)に直接届く。だから送信完了時に「相手にメールが届きました」と表示される。これは、そういう意味なのだ。勿論、回線が塞がっていると送信自体ができないが、この「相手に届いた」事をその場で確認できる即時性はありがたい。回線占有時間も通話よりずっと短い。やみくもに「通話」したがらずに、こういった機能を活用していたら、回線トラフィックもかなり緩和されて、もっとずっと多くの人が早期に安否確認できていたんじゃないかと思う。ただしCメールの通信自体は「通話」と同様の接続なので今回のように回線が塞がってしまった場合に実際どこまで「使えた」かは微妙ではあるが、つながれば即時性が高いので試してみる価値はあるだろう。
EメールとCメールのこんな違い、この機会に、覚えておいて損はないんじゃないだろうか。
また、今回の地震ではインターネット回線は比較的使えたようで、Skypeは問題なく使えていたようだ。インターネット回線だって有限の資源だからみんなで一斉に使えば枯渇する。たまたま今回はみんなが携帯に集中してインターネットはそこまで混まなかったというだけだが、手段を複数確保するというのも有効な一手ではある。今回はmixiやtwitterが安否確認にかなり役立ったようだが、SkypeやYahoo!Messengerも手の内に入れておくといいかも知れない。
停電しちゃうとPCは結構無力だけどね。ノートPCだってLAN環境がないとネットにはつながらないし。そう考えると携帯電話って凄いツールだよな。だからこそ貪り合わずにみんなで使う事を考えようよ。
災害時に家族や友人の安否を気遣って連絡を取りたいと思うのは誰しも同じだと思う。しかし、残念ながら通信インフラは平常時でもその全てに応えられるだけの容量はない。まして災害時にはインフラ自体もダメージを受けている。そんな時に皆が一斉に携帯を使えばパンクするのは当然だ。携帯の回線なんてクリスマスや年越しのタイミングでさえパンクするんだから。
こんな時には各自が「通信トラフィックの軽減」を意識して欲しい。例えば「通話」は回線を占有する時間が長くなるから通話を避ける。伝言ダイヤルを使うのもひとつの手だが、そこに自分の安否が記されている事を相手に伝える手段はない。予め示し合わせた間柄でないとあまり役には立たないし、これとて肉声通信だ。
今なら肉声に頼らずとも連絡手段は結構ある。
1995年の阪神淡路地震の時、僕は大阪にいた。あの時も電話はかなり不通になった。当時まだインターネットは普及してなくて「パソコン通信」だったが、これは役に立った。PC-VANのサーヴィスでメールを使ってFAXを送るサーヴィスがあった。元々メール自体、1通のメールを複数の宛先へ送ってくれるサーヴィスだったので、無事を知らせる短い文書を書いた。当時はダイヤルアップ回線だったが、なかなかつながらないので自動リダイヤルをセットして、最寄の公衆電話へ向かった。公衆電話は優先的に復旧していたからだ。
公衆電話にも何人か並んでいたと記憶している。自分の番になって、とりあえず実家に電話した。親にさえ無事を知らせておけば親戚筋の連絡は済んだも同然。親に限らず、非被災地の知人に自分の状況を広く知らしめて貰えるよう頼むだけで被災地からの通信はかなり削減できる。
あと主要な知人への連絡はPC-VANのメール1通で済む。帰宅するとそれも無事送信できていた。通話は1分以内、PC-VANのメール送信のための接続時間はものの数秒だ。
要所を押さえる事で連絡件数を削減するというのも「トラフィック軽減」の大きな鍵になる。「通話」しか手段がない人にもできるトラフィック軽減の基本中の基本だ。
今なら多くの人が携帯電話を使おうとするだろう。しかしご存知の通り、携帯電話はどのキャリアもパンクしていた。殆ど物理的損傷を受けていない筈の山梨県内で、近くにいる人にかけようとしてもつながらなかったのは東京がダメージを受けていたからだろうか。これは携帯電話の構造的弱点かも知れない。心配なのは解るが「折角繋がったんだから」と長話するのは禁物だ。今回もかなりの人がやっていたんだろうな。
メールなら接続時間は圧倒的に少ない。通話ができないからせめてメールでもと多くの人がメールを出した。が、つながらなくて送信できなかったり、送信はできたが相手に届く(読まれる)までに何時間もかかるという例が続出した。Eメールはインターネットメールそのものであり、インターネットメールはそも、メール到達の即時性を全く保証しない(それどころか、相手への到達自体を誰も保証してくれない)システムである事があまりにも理解されていない。インターネットが普及し始めた頃にはメール到達までに1日ぐらいかかるのは珍しくなかった。尤も、当時は常時接続なんて贅沢な事ができる人は少なくて「電子メール(当時はそう呼ぶのが普通だった)は切手を貼ってポストまで行かなくてもいい」程度ののどかな時代だったからそれでもあまり問題にはならなかったけど。
僕が使っているauにはEメールの他にCメールというau独自の機能がある。同様の機能が他のキャリアにもあるだろう。ドコモのは「ショートメール」という名だと聞いている。Cメールはau独自の機能だから当然au携帯同士でしか使えない(ドコモのショートメールと乗り入れするって話はもう実現したんだっけ?)。このCメールはau同士でしか使えないだけでなく使える文字数も少ないので「何のためにあるの?」とか思っている人が多いようだが、実はこんな時にちょっと頼りになるツールなのだ。
インターネットメールは「送信者がメールをサーヴァに預ける」「受信者がサーヴァから受け取る」という手順を踏んで初めて相手に届くが、Cメールは相手の端末(携帯電話機)に直接届く。だから送信完了時に「相手にメールが届きました」と表示される。これは、そういう意味なのだ。勿論、回線が塞がっていると送信自体ができないが、この「相手に届いた」事をその場で確認できる即時性はありがたい。回線占有時間も通話よりずっと短い。やみくもに「通話」したがらずに、こういった機能を活用していたら、回線トラフィックもかなり緩和されて、もっとずっと多くの人が早期に安否確認できていたんじゃないかと思う。ただしCメールの通信自体は「通話」と同様の接続なので今回のように回線が塞がってしまった場合に実際どこまで「使えた」かは微妙ではあるが、つながれば即時性が高いので試してみる価値はあるだろう。
EメールとCメールのこんな違い、この機会に、覚えておいて損はないんじゃないだろうか。
また、今回の地震ではインターネット回線は比較的使えたようで、Skypeは問題なく使えていたようだ。インターネット回線だって有限の資源だからみんなで一斉に使えば枯渇する。たまたま今回はみんなが携帯に集中してインターネットはそこまで混まなかったというだけだが、手段を複数確保するというのも有効な一手ではある。今回はmixiやtwitterが安否確認にかなり役立ったようだが、SkypeやYahoo!Messengerも手の内に入れておくといいかも知れない。
停電しちゃうとPCは結構無力だけどね。ノートPCだってLAN環境がないとネットにはつながらないし。そう考えると携帯電話って凄いツールだよな。だからこそ貪り合わずにみんなで使う事を考えようよ。
by afternaito
| 2011-03-13 02:25
| PC
|
Comments(3)
手段を複数確保するってのは今回感じましたね。
俺の周りでは今回の甲府に限ってかもしれませんが公衆電話が威力を発揮していました。
俺の周りでは今回の甲府に限ってかもしれませんが公衆電話が威力を発揮していました。
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公衆電話は阪神の時も優先的に復旧していましたが、今は公衆電話自体が絶滅危惧なのが心配です。それと公衆電話からの着信を拒否設定した携帯も結構多いらしくて…。
非通知拒否のついで?に公衆電話拒否も設定してしまう人多いですね。うちはフルオープンですが。