2009年 05月 26日
ハードウェアMPEG2圧縮再評価 |
噂は本当だった…かも
I/O DATAのWチューナTVキャプチャカードGV-MVP/GX2Wを使っている。
これには"GV Encorder"というエンコードソフトが付属しており、カードに搭載されたハードエンコーダを利用できるとあるが、これまではCPU性能が限界ギリギリのAthlon機(800MHz)で録画のみに使ってきた。必須の「1GHz以上」すら満たしていないが、録画のみならCPUパワーを殆ど必要としないのでどうにか使えていた。
CPUパワーが足りないからわざわざハードエンコーダ搭載ボードを買ったのに、これで再圧縮させるとハードウェアエンコードの筈なのにCPUが飽和して過熱、夏場にシステムダウンする事が判明したため、昨夏(購入から4ヶ月)以降は録画専用機として使い、編集/再圧縮は居間のメイン機で行っていた。
それに、GV Encorderで再圧縮(春のうちは使えていた)した動画はブロックノイズがひどかった。CPUパワーを全く消費しないハードウェアのみ(と思われる)による「ハードウェアによる高速エンコード」モードもあり、本当に高速で30分の動画を5分で再圧縮完了したが、それだと更にひどかった。それで現在のSUPER(c)を採用した。画質的にはTMPGEncがよいと聞いていたが、30分のコンテンツを処理するのに30分以上かかるのでは実用にならない。PC録画に切り替えた当時にPentium4 2.6CのマシンでTMPGEnc試用版を使い30分の動画を再圧縮したら数時間かかった。現在はPentiumDC 2.6GHzなので処理速度は4倍ぐらいになったが、3GHz超のCore2Quadでも30分の動画を30分で処理できないと聞いているので半ば諦めている。SUPER(c)にはストリーミング処理機能があり、音声または映像を再圧縮処理せずそのまま使うという選択ができるのも魅力だった。オーディオマニアの端くれとしては、音声の無用な劣化は極力避けたい。ネットで情報を求めたが、TMPGEncにはその機能があるか確認できなかったのでTMPGEncでSUPER(c)に劣らない音質を得るには「音声は無圧縮PCMで記録して再圧縮時にのみ圧縮」という方法を取らねばならない。そのためには今度は一時ファイルを蓄積するHDD容量が余分に必要になってしまい、ソフト・ハードともにかなりの設備投資が必要になってしまうのだ。
しかし、SUPER(c)にも問題はある。こいつで吐き出したMPEG2ファイルはノンインターレース化されており、そのせいかVideoStudio8で再編集できないのだ。だからrawファイルで編集をしてから再圧縮をして保存、という手順だった。
ネットでちょっと気になる噂を見た。GV EncorderはCPUパワーのあるマシンで処理すると画質がいいというのだ。既に意識は地デジ対応に向いているので今更そんな噂を確かめるためにアナログ録画機用マシンを新調してはいられないと思っていたのだが、現在寝室用に使っているAtom330機ならどうだろうと魔が刺した。AtomのコアはPentium4より遅いが、とりあえず1.6GHzあってしかも2コア+HTの4スレッド同時実行だ。GV Encorderが1スレッドぐらい飽和させても動じないんじゃないだろうか。多分製造時期的にみても4スレッドをフルに使えるようなソフトは入ってないだろうし(苦笑)。それにAtomは発熱が少ない。CPUは飽和させても8Wしか食わず、グラフィック内蔵チップセットの方が25Wも食うらしい。何やってんだIntel。そんなにAtomに市場を食われるのが怖いのか。
とまれ、どのみち面白尽くで建造したAtom330機は寝室用には性能過剰なので、試してみる価値はありそうに思える。既に毎日の録画を一手に依存しているキャプチャボードなので実験は半ばぶっつけ本番になるが、最悪rawファイルから今まで通りの手順で処理すればいいだけと割り切って実験を敢行した。

とりあえず本番の予約録画にかかる前にGV Encorderのテストをしようと、録画済(Athlon機で)のrawファイルを再変換してみた。すると処理中全体の15%前後で推移している。Athlon1GHzでも完全に飽和した(*)のだからAtom330ならまるまる1スレッド分ぐらいは食うと予想したが、1スレッドの6割ぐらいという事か。ハードウェア必須要件というのはこういう事なのか。CPUパワーが足りないだけなら単に時間がかかるだけだろう、仕上がりの品質が違うなんて事があるのだろうかと思っていたが、変換に要する時間自体はAtom機でも30分の動画をを変換するのに約35分ぐらいかかっており、Athlon機の頃と大差ない。もしかすると「CPUパワーがあると高画質」なのではなく「ハードエンコーダとのやり取りに間に合わないと処理が端折られて画質が低下する」という事なのかも知れない。僕は今までこのカードのハードエンコーダの性能を見損なっていたようだ。ハードエンコーダといってもCPUと連携してより高画質な処理が可能な設計で、その要求するだけのCPUパワーを提供して初めて本来の最大性能を発揮できるのだとしたら、僕は購入から1年半近く経った今日初めてそれを見た事になる。
生成された再圧縮ファイルの画質はSUPER(c)と比べるとやはりブロックノイズが多いがボケは少ない気がする。トータルの画質という事ではSUPER(c)の方がややマシな感じではあるが、GV Encorderでハードエンコードしたファイルはrawと同様、VideoStudioで編集可能なのだ。予約録画時に自動再圧縮しておいたファイルはrawの1/3、当然転送時間も編集後の書き出し時間も短くなる。あたかもPCが3倍高速になったかのような体感。しかも編集後は直接保存用ファイルができる。再圧縮手順が自動化される事により能率は更に上がる。ここは差別化して、手間をかけてでもより高画質・高音質で残したいものは従来通りの手順で、とりあえず残すものは自動再圧縮と使い分けるか。それで手間をかける番組が絞り込めればTMPGEncの導入も現実的になるかも知れない。
まだAtom機では試してないが、Athlon機で直接保存用サイズになるビットレートで録画すると「ハードウェアによる高速エンコード」と同等の画質になった。多分これに関してはCPUパワーによる改善は望めないだろう。録画予約と連携してGV Encorderによる自動再圧縮まで予約できるのでそれはよしとしよう。
(*):
このAthlon機は昨年初夏までは1GHzのCPUを使っていたが、夏のシステムダウン以後800MHzにクロックダウンしている。秋葉原で中古CPUを探して買ってきた。[必須]の1GHzあれば最低限の動作はするが[推奨]の1.4GHz以上でないと本来の性能は発揮できないという事なのだろう。
I/O DATAのWチューナTVキャプチャカードGV-MVP/GX2Wを使っている。
これには"GV Encorder"というエンコードソフトが付属しており、カードに搭載されたハードエンコーダを利用できるとあるが、これまではCPU性能が限界ギリギリのAthlon機(800MHz)で録画のみに使ってきた。必須の「1GHz以上」すら満たしていないが、録画のみならCPUパワーを殆ど必要としないのでどうにか使えていた。
CPUパワーが足りないからわざわざハードエンコーダ搭載ボードを買ったのに、これで再圧縮させるとハードウェアエンコードの筈なのにCPUが飽和して過熱、夏場にシステムダウンする事が判明したため、昨夏(購入から4ヶ月)以降は録画専用機として使い、編集/再圧縮は居間のメイン機で行っていた。
それに、GV Encorderで再圧縮(春のうちは使えていた)した動画はブロックノイズがひどかった。CPUパワーを全く消費しないハードウェアのみ(と思われる)による「ハードウェアによる高速エンコード」モードもあり、本当に高速で30分の動画を5分で再圧縮完了したが、それだと更にひどかった。それで現在のSUPER(c)を採用した。画質的にはTMPGEncがよいと聞いていたが、30分のコンテンツを処理するのに30分以上かかるのでは実用にならない。PC録画に切り替えた当時にPentium4 2.6CのマシンでTMPGEnc試用版を使い30分の動画を再圧縮したら数時間かかった。現在はPentiumDC 2.6GHzなので処理速度は4倍ぐらいになったが、3GHz超のCore2Quadでも30分の動画を30分で処理できないと聞いているので半ば諦めている。SUPER(c)にはストリーミング処理機能があり、音声または映像を再圧縮処理せずそのまま使うという選択ができるのも魅力だった。オーディオマニアの端くれとしては、音声の無用な劣化は極力避けたい。ネットで情報を求めたが、TMPGEncにはその機能があるか確認できなかったのでTMPGEncでSUPER(c)に劣らない音質を得るには「音声は無圧縮PCMで記録して再圧縮時にのみ圧縮」という方法を取らねばならない。そのためには今度は一時ファイルを蓄積するHDD容量が余分に必要になってしまい、ソフト・ハードともにかなりの設備投資が必要になってしまうのだ。
しかし、SUPER(c)にも問題はある。こいつで吐き出したMPEG2ファイルはノンインターレース化されており、そのせいかVideoStudio8で再編集できないのだ。だからrawファイルで編集をしてから再圧縮をして保存、という手順だった。
ネットでちょっと気になる噂を見た。GV EncorderはCPUパワーのあるマシンで処理すると画質がいいというのだ。既に意識は地デジ対応に向いているので今更そんな噂を確かめるためにアナログ録画機用マシンを新調してはいられないと思っていたのだが、現在寝室用に使っているAtom330機ならどうだろうと魔が刺した。AtomのコアはPentium4より遅いが、とりあえず1.6GHzあってしかも2コア+HTの4スレッド同時実行だ。GV Encorderが1スレッドぐらい飽和させても動じないんじゃないだろうか。多分製造時期的にみても4スレッドをフルに使えるようなソフトは入ってないだろうし(苦笑)。それにAtomは発熱が少ない。CPUは飽和させても8Wしか食わず、グラフィック内蔵チップセットの方が25Wも食うらしい。何やってんだIntel。そんなにAtomに市場を食われるのが怖いのか。
とまれ、どのみち面白尽くで建造したAtom330機は寝室用には性能過剰なので、試してみる価値はありそうに思える。既に毎日の録画を一手に依存しているキャプチャボードなので実験は半ばぶっつけ本番になるが、最悪rawファイルから今まで通りの手順で処理すればいいだけと割り切って実験を敢行した。

とりあえず本番の予約録画にかかる前にGV Encorderのテストをしようと、録画済(Athlon機で)のrawファイルを再変換してみた。すると処理中全体の15%前後で推移している。Athlon1GHzでも完全に飽和した(*)のだからAtom330ならまるまる1スレッド分ぐらいは食うと予想したが、1スレッドの6割ぐらいという事か。ハードウェア必須要件というのはこういう事なのか。CPUパワーが足りないだけなら単に時間がかかるだけだろう、仕上がりの品質が違うなんて事があるのだろうかと思っていたが、変換に要する時間自体はAtom機でも30分の動画をを変換するのに約35分ぐらいかかっており、Athlon機の頃と大差ない。もしかすると「CPUパワーがあると高画質」なのではなく「ハードエンコーダとのやり取りに間に合わないと処理が端折られて画質が低下する」という事なのかも知れない。僕は今までこのカードのハードエンコーダの性能を見損なっていたようだ。ハードエンコーダといってもCPUと連携してより高画質な処理が可能な設計で、その要求するだけのCPUパワーを提供して初めて本来の最大性能を発揮できるのだとしたら、僕は購入から1年半近く経った今日初めてそれを見た事になる。
生成された再圧縮ファイルの画質はSUPER(c)と比べるとやはりブロックノイズが多いがボケは少ない気がする。トータルの画質という事ではSUPER(c)の方がややマシな感じではあるが、GV Encorderでハードエンコードしたファイルはrawと同様、VideoStudioで編集可能なのだ。予約録画時に自動再圧縮しておいたファイルはrawの1/3、当然転送時間も編集後の書き出し時間も短くなる。あたかもPCが3倍高速になったかのような体感。しかも編集後は直接保存用ファイルができる。再圧縮手順が自動化される事により能率は更に上がる。ここは差別化して、手間をかけてでもより高画質・高音質で残したいものは従来通りの手順で、とりあえず残すものは自動再圧縮と使い分けるか。それで手間をかける番組が絞り込めればTMPGEncの導入も現実的になるかも知れない。
まだAtom機では試してないが、Athlon機で直接保存用サイズになるビットレートで録画すると「ハードウェアによる高速エンコード」と同等の画質になった。多分これに関してはCPUパワーによる改善は望めないだろう。録画予約と連携してGV Encorderによる自動再圧縮まで予約できるのでそれはよしとしよう。
(*):
このAthlon機は昨年初夏までは1GHzのCPUを使っていたが、夏のシステムダウン以後800MHzにクロックダウンしている。秋葉原で中古CPUを探して買ってきた。[必須]の1GHzあれば最低限の動作はするが[推奨]の1.4GHz以上でないと本来の性能は発揮できないという事なのだろう。
by afternaito
| 2009-05-26 04:50
| PC
|
Comments(2)

う~ん。
以前よりブロックノイズの収束が早いのはマシンパワー云々ではなくビットレートの違いのような気がしてきた。以前はCMカットなしで350MBになる圧縮率を指定したけど、今回はCMカットを前提に400MB前後になる圧縮率を指定していたのだった。
まぁ、一部これで間に合わす事で作業能率が上がったから、いいか。
以前よりブロックノイズの収束が早いのはマシンパワー云々ではなくビットレートの違いのような気がしてきた。以前はCMカットなしで350MBになる圧縮率を指定したけど、今回はCMカットを前提に400MB前後になる圧縮率を指定していたのだった。
まぁ、一部これで間に合わす事で作業能率が上がったから、いいか。
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GV Encorder動作中にPCを操作するとかなりの確率でコケる。自動再圧縮も数割の確率でコケてrawファイルしか残ってない事がある。自動再圧縮を予約した番組は音質優先で音声無圧縮PCMで録画する(映像再圧縮時に音声も再圧縮されるため)のだが、これをVS8で保存するとMP2音声の何倍も時間がかかる。もしかしたらトータルで作業能率上がってないかも知れない。しかも録画時のHDD消費は1.5倍…(汗)。